ゾンビをミキサーにかける仕事の研修日報

文字が読めるようになってきた蛮族のブログ

干支かれ -よくわからないけど確実にヤバい胡乱なゲーム、でも何かすごい-

本や映画の感想を書けるアプリはあってもゲームの感想を書けるアプリがなかったのでブログを作りました。

「好きな映画が死霊のはらわたミザリーの男が出る乙女ゲームがありますよ!」

そう勧められて、血の出ないゲームをどうぶつの森以外やったことがないホラーヲタクはほぼ人生初の乙女ゲームを始めた。それが干支かれだった。

まぁハマらないだろうけど、どんな奴か見てみたいから、という軽い気持ちだった。

甘かった。まず想像していた乙女ゲームじゃない。

一応は「ひとを害する鬼が跋扈していた平安は、天才陰陽師と彼に纏ろう干支の動物を司る十二柱の神霊によって平和がもたらされた。しかし、千年後の現代で、なぜか鬼の封印が解かれる。陰陽師の血を引く巫女である貴女は、同じく目覚めた干支たちと共にその謎を解く」という設定の和風ファンタジー

設定だけだとありがちかなと思うけれど、シナリオの癖がすこぶる強い。

平安という設定をかなぐり捨て、実話bunkaタブーも真っ青の不謹慎な時事ネタ・下ネタ・炎上芸が満載。

干支を司る男たちは揃いも揃って無職のクズばかり。恋愛どころか顔を見るたび風俗代の三万をせびってくる狂人もいる。(人格者もごく少数だがいることにはいる)

全キャラ配布、課金アイテムなしの上広告もほぼない完全無課金という素晴らしいシステムも、運営の既存のソシャゲへの怨念によって支えられていて、手放しで喜んでいいのかわからない。

乙女ゲームというよりメギド72と胎界主とサウスパークと5時に夢中を鍋に入れて和風だしで煮込んだような代物。つまりほぼ汚泥だ。

シナリオを進めると攻略キャラ(戦闘要員というべきか要介護者というべきか)の平均年齢も上がり、より多くのニーズに応える形になるけれど、大人が増えて楽になるかといえばそうではない。

青少年にはない体力、権力、財力でさらにパワーアップした厄介ごとを持ち込む犯罪者が増え始める。

主人公の巫女は少女漫画的なシチュエーションという見返りは一切なくコイツらの世話に追われなければいけない。

ヨハネスブルクの刑務所の看守か何か。

ゲームとしては、意外とストーリーはしっかりしているし、随所に伏線はあるし、戦闘システムも全員配布ならではのそれぞれの特性を活かした攻略方法が考えられていて、結構やり込み要素があるので楽しくやっていたら止める機会をどんどん失った。

ヒモにのめり込むのはこういう原理だと思う。

偉いモンに手を出しちまったと思いながら進めていたら、ゲームの攻略マップが何か見覚えのある形をしていた。

一応は陰陽師だ何だの話なので一章の舞台は京都とその周辺なんだけれど、よく見ると各クエストのある場所がかの平安京とそれを守る諸国の神社の位置と重なっている。

都を設計する際に平安京を守るための諸国に置かれた聖地とそれを結ぶレイラインの五芒星と、干支かれ一章のマップはほぼ一緒だ。

これ、実はすごく考えて作られてるゲームなんじゃないか。

何となく思ってしまったら気になるし、どうせここまで進めた毒を食らわば皿までということで、干支かれと陰陽道の関連性について考えてみたいと思う。

続きます。