ゾンビをミキサーにかける仕事の研修日報

文字が読めるようになってきた蛮族のブログ

干支かれ考察 〜②二章・関東編と関東五芒星、羊大夫と未・一色の結界〜

前回の記事読んでくださった方々ありがとうございます。

いろんな方に読んでいただけて嬉しいですが、本当に素人の妄言なので話半分で聞いてくださると助かります。

今回は干支かれ二章 関東編。

東側の干支も加わって大所帯になり、仲間は更に統率を欠いていく。内部抗争が得意な動物を集めた汚いけものフレンズといった様相だ。

彼らも西側と同じく各地に散らばっていたわけだけれど、どういう意図で置かれていたのだろうか。

前回のマップは平安京を守る近畿五芒星になっていたので、今回も何かしらの意味があると考えたい。

〜二章 関東編の干支たちとパワースポット〜

関東で五芒星といえば、徳川家康が都を作る際前述した近畿五芒星を模して各地に神社の他、琵琶湖代わりの不忍池などを作ったと言われている。

二章のマップはこんな感じ。

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久遠が登場する霞ヶ浦は「琵琶湖に次ぐ大きさ」とシナリオ内で強調され、実際に霞ヶ浦-紫沢村-琵琶湖と空間が繋がっていたことから、関東編のマップは近畿編の近畿五芒星を再現し、西の都と同じく東を守る結界なんじゃないかと思う。

伊吹さんと久遠という不仲コンビが結界的に言うと同じような場所を守らされてるの、可哀想だね。

二章のストーリーは転送ミスで飛ばされた山梨の山奥から始まるのもそうだ。

山奥で山といえば日本最大の霊山・富士山。

富士山は家康が不死の山として祀り、家康が眠る日光東照宮レイラインが結ばれているなど何かと所縁が多い。

〜燐と駒形神社、天太と日吉神社

そこで会う干支、二柱は午の燐と申の天太だ。

彼らを関東編のマップに当てはめてみると、まず茨城には馬を御神体とする駒形神社が三つある。

駒形神社は岩手などにも存在するけれど、茨城の駒形神社保食神という祭神を祀ってもいて、この保食神というのは古事記で干支かれ二部で重要なワード“神産み”についての章で現れる神だ。

続いて、天太について。

猿は魔が“去る”という験担ぎで昔から魔除けの意味を持ち、太陽神の使者ともされる。

日吉神社は猿神と太陽に関係の深い神社だ。

日吉神社は各地に存在するけれど、関東編マップの一端・千葉には最澄直々に霊を分けたという由緒ある日吉神社が存在する。

〜未の一色と秩父の羊太夫

何となく結界が張られてるかなという感じでこじつけていくと、次に出てくるのが彼。未の一色さん。

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殺生と脱法ハーブ生成が得意なフレンズ。

干支界きってのヤベー奴である彼は、主人公の巫女を拉致監禁するという暴挙に出る。

一色さんが巫女を連れて行った先は秩父

秩父には銅の発掘やら産業の発展などに尽力した“羊大夫”という伝説上の人物がいる。

神道集の中で、羊大夫は「申の中半(十五時くらい)に上野国群馬郡有馬郷を立ちて、日の入合(十七時くらい)には三条室町に付けり」と新幹線も白眼を剥く速度で移動したことが語られる。

一色さんは夜中に巫女を誘拐し、巫女が目を覚ます頃には秩父に着いていた。

その時点では鈴の転送システムを使えなかった彼がそれを成し得たのは、この権能のお陰かもしれない。

更に秩父には北極星を祀る秩父神社がある。

北極星陰陽師が結界を張る際に起点とする星だ。

つまり、自分の神性がフル活用できる場所で、物理的にも陰陽道的にも巫女を監禁……守るために立ち回っていたということになる。

マジでハンニバル・レクターかよ。

最後に二章の干支で忘れてはいけないのが、酉の左京。

彼は千年前にはなかった右京という別人格が現代で突如発生したという得意な存在だ。ファイト・クラブかよ。

一体なぜそんなことになったのか。

長くなりそうなので一端区切って、次回は左京・右京と、陰陽道的に見る酉の二面性について考えてみたいと思います。

続きます。

※申し訳程度の参考文献

吉野裕子『十二支 ––易・五行と日本の民族』人文書院(一九九四年 初版)